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弱小ブロガーはすぐブログのタイトルを変えます。

超要約!三谷宏治『経営戦略全史』という名著

はじめに

久々のブログで、唐突にブックレビューします。

こんなとってもそそられるランキングを見つけました。 

 

ハーバード・ビジネス・レビュー読者が選ぶベスト経営書2013の結果発表 | ベスト経営書|DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー

 

 このランキングで第一位だった三谷宏治著『経営戦略全史』を読んでみました。

 

小洒落た表紙と素材感の良い装丁で2,940円。一般階級の庶民にとっては高めの本ですが、こいつは買いです。素晴らしく素晴らしい。

 

経営戦略全史 (ディスカヴァー・レボリューションズ)

 ※Kindle版もあります。

 

本の感想

 経営戦略というのは、1910年頃にその源流が興って以来、現代まで多くの理論がマッキンゼー、BCGなどのコンサル会社や企業経営者、はたまた学者先生によって展開されてきたわけです。

 

それらは「その時代の、その環境においては」ひとつの最適解であったものの、環境が変われば答えも変わる経営において、パーフェクトな理論というものは今のところ存在しない。

過去の経営戦略ひとつひとつは偉大だし、学ぶことに大きな価値があるけれども、一見カンペキに見えるものも数年後には別の人が論破してたりするんです。

その前後の時代背景を踏まえながら(点ではなく線で)経営戦略の歴史をかいつまんで学べる本書は最高の入門書です。

 

この本の中で重要人物132人と、重要な書籍が72冊も紹介されています。

もっと勉強したい部分があればその本を読めばよいのでブックガイドとしても使える一冊です。

 

内容をざっくり言うと・・・

1960年代から「ポジショニング派」というのが流行ります。ポーターがその代表選手で、「どの市場において、どのような位置を取るかが企業にとって最も重要だ」ということです。企業の「外部」に目を向けた戦略ですね。

ポーターは企業内のオペレーションの最適化なんてのはやって当たり前だと言いました。

 

それに対して、もっと企業自身の「内部」に目を向けたのがケイパビリティ派で、1980年代に現れます。市場におけるポジショニングよりもその企業の能力(ケイパビリティ)こそが大事だと。

ピーターズやバーニーがその代表選手で、エクセレント・カンパニーとかイノベーションとかって言葉が流行り出します。

 ただ面白いのが、ポジショニング派が褒めた企業も、ケイパビリティ派が絶賛した企業も数年後には潰れちゃったりするわけです。

 

そうこうしてるうちに1990年代、どっちの考え方も必要だし、ケースバイケースだし、もっと考え方を統合させようよ、と言ったのがミンツバーグで、正解がないという意味で経営戦略はアートなんだと言いました。

 個人的にはこの辺から経営戦略の胡散臭さがなくなるというか等身大な気がして好きです。

そして2010年代には、実験しながら、失敗しながら最適解を見つけるという「アダプティブ戦略」に行き着きます。

 経営戦略は対象が人間の集合体なんで簡単に正解なんてなくて、もっと社会学とか心理学とも関係する話なんでしょうね。

 

おしまい 

経営戦略の歴史ってドラマチックだなぁと思います。

とりあえずこの本の中で出てきたダンカン・ワッツ『偶然の科学』が気になったので次読んでみます。

 

偶然の科学 (ハヤカワ文庫 NF 400 〈数理を愉しむ〉シリーズ)

偶然の科学 (ハヤカワ文庫 NF 400 〈数理を愉しむ〉シリーズ)

 

 

 

 続編に当たる『ビジネスモデル全史』も出ました。(2014年9月18日)