ハンパな夢のひとカケラのブログ

デタラメな夢を好き勝手ばらまきます

読書

書評『銃・病原菌・鉄』:優れた人種が繁栄するわけじゃないという話

大変ボリューミーな上下巻からなる歴史本をやっとのことで読み終わったので、メモを残しておきます。 著者ジャレド・ダイアモンドがあるニューギニア人から聞かれた問いから始まる。「あなたたち白人はニューギニアに多くのものをもたらしたが、なぜニューギ…

書評『睡眠こそ最強の解決策である』:寝ない人は頭が悪くて早く死ぬ

マシュー・ウォーカー『睡眠こそ最強の解決策である』(2018)原著: Matthew Walker - Why We Sleep (2017) 前々からちょっと気になっていた『睡眠こそ最強の解決策である』だけど、タイトルや表紙のデザインがいかにも電車内広告にあるような「楽して人生を変…

『あなたのための物語』レビュー - 和製言語ものSF

長谷敏司 - あなたのための物語 (2009) 「言語ものSF」と呼ばれる類いだろうか。 21世紀末のシアトルが舞台。主人公の天才研究者サマンサ・ウォーカーがオーナーの一人であるニューロロジカルというハイテク企業が産み出した技術、NIP (Neuron Interface Pro…

『NOVA 2019年春号』レビュー - 傑作揃いの贅沢なSFアンソロジー

大森望 編 - NOVA 2019年 春号 (2018) 新装開店した大森望による全篇書き下ろしSFアンソロジーシリーズ。今回は非常にレベルが高い。というか好みのものが多くて本当に最高。 今、大注目の小川哲も読めるし、ベテラン勢として飛浩隆も宮部みゆき等々も読める…

『盤上の夜』レビュー - スラスラ読めるボードゲームSF

宮内悠介 - 盤上の夜 (2012) 宮内悠介のデビュー作「盤上の夜」を含む短篇6篇が収録されている。2012年に日本SF大賞を受賞したSF小説。同年『屍者の帝国』が特別賞なので、それ以上に評価されたと考えるとなかなかのビッグタイトル。 個人的には、蔦屋書店の…

『revisions/リヴィジョンズ』 時間SFアンソロジーの最高峰

大森望 編 - revisions 時間SFアンソロジー (2018) これを読んだのは1年ほど前だが、当時SF短篇小説にのめり込みつつあり、そんな中で日本SF界における重要人物、大森望(本アンソロジーの編者)を知った。 また「時間SF」というサブジャンルも奥深くて、こ…

『ゼロ年代SF傑作選』:リアル・フィクションと呼ばれた時代

SFマガジン編集部 編 - ゼロ年代SF傑作選 (2010) すでに時代は2010年代が終わり、2020年代に入ったわけだけど、こちらゼロ年代(2000~2009年)の傑作選。ラノベ作家が多く取り上げられているけど、最後の藤田直哉による解説を読むとその意味もわかる。日本S…

『SFマガジン700【国内編】』レビュー:新旧日本SF短篇集

大森望 編 - SFマガジン700【国内編】 (2014) 早川書房「SFマガジン」創刊700号記念として、大森望によって編まれたアンソロジー。2014年5月発行。SFマガジンに収録された作品の中から選ばれてるとのこと。普段、SFマガジンを読んでるわけでもないけど、やっ…

5分で読める!伊藤計劃×円城塔『屍者の帝国』のあらすじ(ネタバレ)

伊藤計劃×円城塔 - 屍者の帝国 (2012) 2012年に発表された『屍者の帝国』という名作。執筆中に著者である伊藤計劃が亡くなったことで未発表だった作品を、円城塔が引き継いで完成させたということで大きな話題になりました。 内容も素晴らしいですが、かなり…

『折りたたみ北京』レビュー:中国SF文学の厚みたるや

ケン・リュウ 編 - 折りたたみ北京 (2018) 近頃話題の現代中国SF文学。映画『メッセージ』の原作小説であるテッド・チャンの『あなたの人生の物語』や、オバマやザッカバーグも熱中したという劉慈欣の『三体』など。 そんな中国SF短編を集めたアンソロジーが…

『伊藤計劃トリビュート』レビュー:名作揃い。さすが伊藤計劃。

早川書房編集部 編 - 伊藤計劃トリビュート (2015) 僕たちのレジェンド、伊藤計劃。そんな伊藤計劃に捧ぐSFアンソロジー。 伊藤計劃はサイバーパンクを「テクノロジーが人をどう変えるか、という問いを内包しているSF」と定義したという。本アンソロジーもま…

『ゲームの王国』レビュー | 小川哲は日本のSFを変える天才だと確信した

小川哲 - ゲームの王国 (2017) 間違いない、小川哲は天才だ。(おがわさとしと読む) 前作『ユートロニカのこちら側』を読んだ時、これは伊藤計劃の再来か?と思った記憶があるけど、今は確信している。小川哲は日本のSF文学の新しい時代を作る天才だ。 これ…

『ノックス・マシン』レビュー:ユーモアが効いた時間SF

法月綸太郎 - ノックス・マシン (2013) 法月綸太郎 (のりづきりんたろう)の短編集『ノックス・マシン』、SFでありながら、「このミス 1位」を獲得していて、ミステリーとしても評価されている本作。 「ノックス・マシン」 ★★★★★ 実在のミステリー作家ロナル…

『英国諜報員アシェンデン』レビュー:激渋なスパイ純文学

『英国諜報員アシェンデン』は1928年に発表されたイギリス人作家サマセット・モームのスパイ小説。モーム自身もかつてスパイだったこともあり、リアリティのあるスパイ活動が描かれている。(スパイ時代のモームはロシア革命を阻止しようと試みたが失敗した…

『統計学が最強の学問である』を読んだ

2013年に発売した本ですが、 西内啓『統計学が最強の学問である』を最近になって再読したのでメモをしておきます。統計学が最強の学問である作者:西内 啓発売日: 2013/01/28メディア: Kindle版とても刺激的で、わかりやすくて、勉強になる良著でした。ビジネ…

TIME誌が選んだ100冊の最も優れた小説(1923-2005)まとめ

アメリカのTIME(タイム)誌が選出した"All-TIME 100 Novels"というものがあります。 雑誌が創刊した1923年から2005年までに発表された小説の中で、最も優れた100作品をピックアップしています。 ただ残念ながらそのリストの日本語版がなかったので、 今回は…

純文学を理解したい人へ。村上春樹解説本。

内田樹の『もういちど村上春樹にご用心』を読みました。とても面白かったです。自分のような文学初心者からすると、この手の「解説本」はとても役に立ちます。簡単にレビューを。 「文学」を理解するということ 文学作品を読んだ時の素直な感想(よくわから…

5分で読める!伊藤計劃×円城塔『屍者の帝国』のあらすじ(ネタバレ)

2012年に発表された伊藤計劃×円城塔『屍者の帝国』という名作。 執筆中に著者である伊藤計劃が亡くなったことで未発表だった作品を、円城塔が引き継いで完成させたということで大きな話題になりました。内容も素晴らしいですが、かなり難解な設定のSF作品で…

5分で読める!茂木健一郎の『脳と仮想』を超要約

初めて読んだのは3年以上前なんですが、未だに心に残る名著なので久々にブックレビュー、というか紹介。難しいけど、衝撃的に面白いです。知的興奮本です。簡単に要約、あらすじをまとめました。 「心脳問題」 死んだら魂はどうなるの?電気が消えるみたいに…

超要約!三谷宏治『経営戦略全史』という名著

はじめに 久々のブログで、唐突にブックレビューします。 こんなとってもそそられるランキングを見つけました。 ハーバード・ビジネス・レビュー読者が選ぶベスト経営書2013の結果発表 | ベスト経営書|DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー このランキン…